最後の医者は桜を見上げて君を想う 読了 二宮敦人

●TO文庫
最後の医者は桜を見上げて君を想う
二宮敦人 著
全413頁
650円+t

あなたの余命は半年です――ある病院で、医者・桐子は患者にそう告げた。死神と呼ばれる彼は、「死」を受け入れ、残りの日々を大切に生きる道もあると説く。だが、副医院長・福原は奇跡を信じ最後まで「生」を諦めない。対立する二人が限られた時間の中で挑む戦いの結末とは?究極の選択を前に、患者たちは何を決断できるのか?それぞれの生き様を通して描かれる、眩いほどの人生の光。息を呑む衝撃と感動の医療ドラマ誕生!(裏表紙あらすじより)


前にも記事に書きましたが、これはただの医療ドラマじゃないです。
生と死、人生とは。
複雑な心境描写から描かれる結末の付け方。

本書では3人の重篤患者がメインで描かれます。
対象的な考え方の福原と桐子。
本人の意志とは関係なく決断を下し結末を告げてゆく医者は、本当は誰よりも人を救いたくて、自分の無力さに唖然としているのだと。でも時に、二人の考え方は極端すぎて患者に寄り添うことはできなかったのだと、結末でとても痛感しました。
とても患者側の描写がドラマチックではありますが心情と向かう未来への気持ちの変化を言葉の一つ一つから感じられるドラマでした。

個人的には、医者側看護師側の描写があまりにドラマすぎるなとも感じましたが。
...うん、純粋な涙が出てきてくれたのでいいでしょう。

little gree monsterの、きっと大丈夫を聞きながらのクライマックスは本当に号泣。
帯にも書いてありましたが、本当に通勤中に読むものではないです。

地味に描写などがリアルな場面も多々あるので、医療系ドラマが苦手な人は、やめといたほうがいいです。病名や処置方法、患者の苦渋ははっきりしてます。


とても感慨深い一冊でした。

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