犬はどこだ 読了 米澤穂信
●創元推理文庫
犬はどこだ
米澤穂信 著
740円+t
全365頁
開業にあたり調査事務所<紺屋S&R>が想定した業務内容は、ただ一種類。犬だ。犬捜しをするのだ。――それなのに舞い込んだ依頼は、失踪人捜しと古文書の解読。しかも調査の過程で、このふたつはなぜか微妙にクロスして......いったいこの事件の全体像とは? 犬捜し専門(希望)、25歳の私立探偵、最初の事件。新世代ミステリの旗手が新境地に挑み喝采を浴びた私立探偵小説の傑作。(裏表紙あらすじより)
滑走感がすごかったです。
いつもすごい作者様ですが。
解説を書く村上貴史さん、是非とも語りたい。
米澤穂信さんは、もともとあまり注目はされない人だったとどの解説でも述べられており、私も知ったキッカケはアニメ『氷菓』にドハマりしたからでした。
青春ミステリは私にとって至高なのですが、今回はボトルネック、インシテミル同様一味違うものですね。
前記事にも述べたのですが、視点が広い!
2つの語り口からこの物語はなるのですが、一人は人捜し、もう一人は古文書の歴史調査と全く異なった軸を中心に描かれています。
しかし調査を進めていくうちに2つの視点は読者の視点とともに混ざり合ってゆく...。
米澤さんは多分そんなに読者の心理状況を意識なさってないのではないでしょうか、意識していたらそんな頭の使い方が理解不能です。神です。
読者を混乱させますが多分意図的というか結果論的なものになっている気がします。
最初は土色濃い地味な話かと思っていましたが強引に走らされるこの感じ、流石です。
私は推理しながら読むタイプなので色々な仮定を考案しましたがどれもその通りに行けない、塞がっているんですよね穴が。
要は密室型ミステリ小説。
心理状況、色んな人のタイプを繰り出します米澤穂信。楽しいです。
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