10分間ミステリーTHE BEST 読了 『このミステリーがすごい!』大賞編集部
●宝島社
10分間ミステリー THE BEST
『このミステリーがすごい!』大賞編集部 編
全559頁
740円+t
『このミステリーがすごい!』大賞作家が贈る、様々な舞台設定、シチュエーションと、謎解きあり、ユーモアあり、涙あり、サスペンスあり、ホラーありのバラエティに富んだショート・ミステリー集。『10分間ミステリー』『もっとすごい!10分間ミステリー』から作家自身が選んだ傑作と、15名の気鋭の作家が書き下ろした新作、全50作品を収録。手軽にじっくりと楽しめる、豪華な一冊です。(背表紙より)
全559頁とあってなかなか読み応えたっぷりでした。米澤穂信編の世界堂書店から再び短編となっています。
背表紙で書かれているのように、ミステリーだけでなく、ホラーサスペンス、ファンタジーなど分野が様々です。もやもやする話もあればスッキリ落ちてゆく話もありますね。
なかなか抽象的な感想になってしまいますが。
中山七里の『最後の容疑者』。
新藤卓広の『走馬灯』。
高山聖史の『お届けモノ』。
影山匙の『脱走者の行方』。
柳原慧の『電話ボックス』。
結末が切なくて予想外な物語たちです。
うーんいい。
こういった部類の短編集の醍醐味は、
今まで知らなかった作者の予想外な物語を読めるということですよね。
別の世界の扉を覗き見できる。
なんて見地が深い!広い!
新藤さんの『走馬灯』という物語は。人生に諦めを持った若者の自殺最中の場面から物語は始まります。
未来投資に失敗し借金を作り、恋人とも別れ生きる気力が無くなってしまった彼は走馬灯から窮地を脱する策を思いつきます。
しかし人生そう簡単に方向が曲がったりはしない。最後に予想外な結末が待っています。
この短編集、最後の一ページがどれだけ物語の鍵を握っているか。
とても、心を動かされます。躍動がすごい。
なかなか本は分厚いですが、短編集ですのでさくさく読めます。とても良かったです。
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