ボトルネック 米澤穂信 読了
●新潮文庫
ボトルネック
米澤穂信 著
476円+t
全312頁
亡くなった恋人を追悼するため東尋坊を訪ねていたぼくは、何かに誘われるように断崖から墜落した......はずだった。ところが気がつくと見慣れた金沢の街にいる。不可解な思いで自宅へ戻ったぼくを迎えたのは、見知らぬ「姉」。もしやここでは、ぼくは「生まれなかった」人間なのか。世界のすべてと折り合えず、自分に対して臆病。そんな「若さ」の影を描き切る、青春ミステリの金字塔。(裏表紙あらすじより)
1日で、読みきりました。
スピード感がすごいです。米澤穂信。
今回は伏線に注意して読もうと心がけたのですが全然意味がわかりませんでした...。
はっきりとミステリ感はこの本にはあまりない印象です。あるのは主人公の不自由さ。
SFな世界でのリアルな感情の動向はギャップから居心地が悪くなります。
しかし米澤穂信さん、さすが謎解きタイムは何度もあります。
米澤穂信が描くのは基本気だるげな男子の主人公と、活発な女子。
今回もその枠からはみ出すことなくスタートします。
その互いの性格、視点、物語を描き切ることはとても臨場感があり素敵です。
どんどん見えてくる背景はスピード感を加速させめくるページを増やしてゆきます。流石としか言いようがありません。テンポが強いです。
しかし、推理部分になるとサキの「想像してみなさいよ」という発言とともにリズムが狂わされるこの操られよう。私だけでしょうか。
ボトルネックという言葉への見方も変わりタイトルの重さも感じています。
バッドエンドなのでしょうか。
希望をもつ私も頭のどこかで結末を諦めています。
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