君の名は。 小説版 読了 新海誠
●角川出版
小説 君の名は。
新海誠 著
560円+t
全262頁
山深い田舎町に暮らす女子高生・三葉(みつは)は、自分が男の子になる夢を見る。見慣れない部屋、見知らぬ友人、目の前に広がるのは東京の街並み。
一方、東京で暮らす男子高校生・瀧(たき)も、山奥の町で自分が女子高生になる夢を見る。
やがて二人は夢の中で入れ替わっていることに気づくがーー。(背表紙あらすじより)
現在大ヒット上映中の君の名は。は、新海誠監督自身の言葉から小説化されました。
監督の思い一つ一つが文字となって紙上に連なっていて、その事自体に私は深く感動をおぼえています。
監督はどんどん自身の思いを発信すべきだコンチクショー派の私としては至福、満腹でございます。
後日談的な、このシーンにはこういう思いがあってこの言葉を〜とかそういうの聞いておきたいので、読めてとても満足でした。
...と感動はとりあえず置いておきましょう。
1日で読める厚みではありましたが、映画を既に見た私としてもほうほうと納得し爽快と駆け抜ける臨場感に圧倒されましたね。
内容は上記のあらすじより深くは書けませんが、主人公たちが織りなす行動にはひとつひとつ意味があったと、そして取り巻く環境が違えど入れ替わりをすることで田舎にも東京にも、輝きはあるのだと発見させられました。
伏線もどんどん解消されて、ミステリ好きにはそれはもう。
RADWIMPSのスパークルが挿入歌の中で一番好きなのですが、聞きながら読書に没頭するスタイルで臨んだところ鳥肌ブワッ🐔
新海誠作品を見たことはあまりないので傾向とか好みとかはよく分からないのですが、映像同様、繊細な気風ですよね。
個々人の感情が一辺倒に描かれ作者の思考回路に偏った作品ではない、キャラクターが生きるような作風な気がします。
瀧くん側の視点が多かったのはやっぱりそのほうが見る側である私達寄りの素直な視点が作れるからでしょうか。
ぶっちゃけ映画では泣く場面が分からなかったのですが文章化されたこの本を読んだ暁には涙がボロボロじわじわきましたね。
この、もがいた、作品はその様こそが生き様で、もがき続けろと日本人に投げかけ、波紋を広げる小石であるのでしょう。
ただの感想、お粗末様でした。
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